「聞き書 野々市よもやま話」には馬頭観音の白黒写真が掲載されています。
結構大きな構造物のようです。由来が書かれた石板も写っています。この写真に場所を特定する手がかりはないでしょうか。
観音像の後ろに電柱ともう一本柱のようなものが立っています。また、屋根の形に特徴がある家屋が写っています。まずはこの建物をさがすことにしましょう。
実際に出歩くのではなく、Googleのストリートビューを利用します。
今回は臨場感を高めるため3Ⅾ映像を楽しめるVRゴーグル「カードボード」を装着してみました‼
体や頭の動きに合わせて風景が動くリアルさと、小さな画面を拡大して見ている不自然さで、しばらくすると乗り物酔いのような気持ちの悪さに襲われました。
慣れないことをしたかいがあって写真と同じ建物をみつけることができました。
この建物の位置を起点として観音像が建っていた方向と場所を推定します。
イオンタウン東側入り口
写真の観音像の後に写っている電柱と柱は、この電柱と道路案内の鉄柱のようです。
どうやらこの駐輪場の位置が無縁塚と馬頭観音が建っていた場所とみて間違い無いでしょう。
PC版ストリートビューならばタイムマシン機能を使って2012年11月の風景を見ることができます。
確かにこの場所に馬頭観音像の後ろ姿が確認できました。
残念ながら観音像は既にこの付近にはなさそうです。近くに移したならすぐに見つかりそうなものです。
織物工場が移転したのが平成24年10月、建物を解体したのは平成25年の暮れから26年の三月ごろのようです。解体が終わるとすぐに商業施設の建設が始まり平成26年11月にイオンタウンがオープンしました。
この流れの中のどこかで史跡は此処から姿を消したようです。
これ以上は手がかりがないので野々市市役所に問い合わせのメールを入れてみました。するとしばらくして封書で返答をいただきました。(ありがとうございます。)
以下はその抜粋です。
「白山町に所在した馬頭観音菩薩像の件ですが、調査したところ、平成24年に金沢市湯谷原町 医王山寺敷地内に移設したことが判明しました。 医王山寺に移った経緯等、詳細については分かりませんでした。(中略) 野々市市教育委員会 文化課」