インターネットで検索して直接答えが見つからない場合であっても記事の中に何かの手がかりがあるかもしれません。
今回の場合は「江戸時代の刑罰施設」というホームページが良い手がかりになりました。(http://www2.hp-ez.com/hp/bunsei/)
もちろんこのサイトでも加賀藩の刑場についての情報が詳しく書かれています。しかし上口刑場の所在地の特定には至っておりませんでした。(平成29年3月時点、現在は記事内容が更新されています。)
私が注目したのはこのサイトで紹介されていた野々市に残るお地蔵さんにまつわる伝承でした。
野々市は金沢南部に隣接する市ですが、市内の各公民館が地元の郷土史をまとめた本がいくつか刊行されています。それが「でじたるBOOK」と称してネットで閲覧できるようになっています。
その中の、「郷の今昔」第六章 各町のあゆみ(二日市町)お地蔵さんの話 と、「富奥郷土史」第十六章第五節 村の御地蔵さん 大平寺地蔵のいわれ の二話に金沢の刑場に関わる地蔵尊の話が納められています。
いずれの話とも明治の初めに有松にあった刑場が廃止される際に、供養のためのお地蔵さんをもらい受けたという内容です。
ほかにも「聞き書 野々市よもやま話」の第12章 狐にだまされる では、金沢に用事で出てきた太吉という男が夕方に帰路につくと、「有松の刑場近くに来たときは、とっぷり日が暮れてしまった。さらし首が星の光で青白く見えて気味悪く目をつむって走って通り過ぎた。」と書かれています。
どうやら刑場周辺の公民館などの自治体が発行している書籍や資料を当たれば場所や様子を知る手がかりが掴めるかもしれません。そこで各地の公民館のホームページにアクセスしてみました。
野々市市のほかでは金沢市弥生公民館がホームページでPDF形式の資料を公開しています。